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2人のエンジニアが語る
「TBS Qs」開発・運用秘話(後編)更新日 2024年5月10日

エンタテインメントに新たなデジタル技術を取り入れることで視聴者の方に楽しさや感動、わくわく感をお届けするべく、様々なチャレンジに取り組むTBSグロウディアのデジタル技術事業本部。その強みは、若手エンジニアもプロジェクトにアサインし、先輩エンジニアが伴走しながら実際の開発案件の中でOJTを推進し、学ぶ機会を得られること。先輩のサポートという安全な環境で自分自身のエンジニアとしての成長にチャレンジできる点です。一方で、ChatGPTをはじめとした生成AIの急成長はエンジニアが活躍する環境にどのような影響をもたらしているのでしょうか。

視聴者参加型リアルタイムのクイズシステム「TBS Qs(キューズ)」の開発・運用に携わったエンジニア2名にTBSグロウディアの開発環境の特徴や組織の強み、生成AIに対する考え方や「放送をテクノロジーで支える」ことへの思いなどについて聞いてみました。

業務システムと視聴者向けシステムの開発で好循環が生まれる

TBS Qsが開発目標の実現に向けて様々な試行錯誤や運用試験を続けて改善をはかっていることがわかりました。では次に、エンジニアの視点からTBSグロウディアの環境やチームの特色、魅力について教えてください。

前浜:

TBSグロウディアのシステム開発はTBSグループの業務系システム・ソフトウェアの開発と一般視聴者向けシステム・サービスの開発に分かれていて、比率としては8割程度を業務系の開発が占めます。もちろん、業務系開発は非常に重要なミッションなのでしっかりと推進していく必要がありますが、一方でTBS Qsのように一般視聴者向けのエンタテインメントを創るシステムの開発は、利用してくれた視聴者から直接フィードバックを得られますので、エンジニアとしては非常に刺激になります。この刺激をモチベーションにして業務系開発にも力を入れていく、そして業務系開発で得られたスキルをまた視聴者向けシステムに活かすという良い循環が生み出せるのが、TBSグロウディアの他社とは違う特色なのではないでしょうか。

また、私はTBSグループの組織改編する以前から20年以上エンジニアとして業務していますが、TBSグロウディアの働く環境は時間管理もしっかりしていてエンジニアがとても働きやすいと思います。もちろん、システム開発の締切が迫っているときには残業もありますが、エンジニアが酷使されてしまうような環境ではありません。業務のモチベーションは人それぞれだと思いますが、私は自分たちで開発したシステムに対して実際に使ってくださった方々から「使いやすいね」「楽しかったね」と様々なフィードバックが寄せられる点が一番のやりがいになっていますね。

ITエンジニア

前浜 祐介

Yusuke Maehama

デジタル技術事業本部 ソリューション営業部

(人が嫌がるアロハシャツが好き)

若手でも自分のアイデアで挑戦できるのが、TBSグロウディアの強み

及川さんは2022年入社とのことですが、なぜTBSグロウディアを選ばれたのか教えてください。

ITエンジニア

及川 夏依

Kai Oikawa

デジタル技術事業本部 開発部

2022年入社

(ラジオとアニメが大好きです!)

及川:

私は情報系の大学で気象データの分析などを研究していたので、情報・データを扱う仕事に就きたいという思いがありました。加えて、実は私はラジオが大好きだったので、ラジオに関わる仕事にも興味がありました。TBSグロウディアはシステム開発やデータ放送、ラジオ技術~番組制作、イベント運営など幅広く事業を展開している会社で、ひとつの会社でここまで事業の幅が広いというのもなかなかない存在で、色々なことに挑戦できるのではと思い入社を決めました。

実際に、様々な事業本部が横並びでそれぞれの事業を展開しているので、自分自身が興味を持ったことについて事業部に意見を求めると比較的すぐに対応していただけたり、自分の意見を実現しやすい環境だと思います。若手でも自分のアイデアに挑戦しやすい環境があるのがTBSグロウディアの社風で、もちろん入社直後は自分の能力が足りず実現できないことも多いですが、頑張っていればいつか自分でアイデアを形にできる、テレビやラジオに深く関わる仕事ができるというビジョンを描けるのがエンジニアとして大きなモチベーションになっています。ちなみに現在は大学時代の経験を活かして分析系のシステム開発にも関わっています。

前浜:

補足をすると、TBSグロウディアは全社的に新規事業の創出にも力を入れていて、社内に誰でも自分の事業アイデアが提案できる窓口も用意されていて、1年目の若手社員も先輩エンジニアの元でOJTに取り組みながら自分のアイデアを相談することもでき、どうすれば実現できるかなどを一緒に検討します。若手でも新しいことにどんどんチャレンジできる環境が整っていて、実は今回ご紹介したTBS Qsも、当時入社1年目の若手エンジニアが加わり、OJTの中で先輩エンジニアと一緒にアプリケーション開発に携わりました。

自分のミスを萎縮せずにきちんと言える環境がエンジニアを救う

若手エンジニアでも新しいアイデアにどんどん挑戦できる社風、新しい挑戦を後押ししてくれる社風だということがよくわかりました。一方で、入社して苦労されたことなどはありましたか?

及川:

苦労話とはちょっと違うかもしれませんが、OJTの際にシステムに機能を実装するためのコードを書く宿題が出されて、その宿題というのは前浜さんが提供してくれたサンプルのコードについて言語を別のものに変換して書くという内容だったのですが、その答えを出すために自分の判断で勝手にChatGPTを使ってしまったのです。社内でChatGPTを使用すること自体は問題にはならないのですが、間違った使用をしてしまったことを自身で後から気付き、これは入社してから今までで一番の失敗だったと思います。ただ、このミスについてそれを言える社内環境だったのがよかったとも思います。もちろん、非常に怒られましたが、これがもし報告しづらい社内の雰囲気だったら、もっと大変なことになっていたかもしれません。ミスを萎縮せずに言える社内環境なのも、TBSグロウディアの良い点だと思います。そして、同じ過ちは繰り返しません!

前浜:

この件の内容については、サンプルコードの中にシステム固有の情報も含まれていたので、それをChatGPTで使ってしまうとシステム固有の情報も含めてChatGPTが学習してしまう恐れがあるので、それはダメだよねということになりました。この件があってから、会社としてもChatGPTの活用について改めて考えるきっかけになりましたね。私個人としては、ChatGPTは情報管理上のリスクを否定できない点や、容易に利用できてしまうが故に自分自身のスキルアップに繋がりにくい点などから、基本的に調べてわかることについては自分の力でリファレンスやGitHubなどを調べて、自分の力で考えて、ChatGPTに依存しすぎない働き方を心がけるようにしています。

目指すのは、「水や空気のようにシステムが利用される世界」の実現

最後に、「放送をテクノロジーで支え、新しい価値を生み出す」ということについてやりがいや今後の抱負を聞かせてください。

及川:

TBSグロウディアでの仕事は、自分が今まで観ていた番組・作品の制作に携わって、その一部になれるというのが醍醐味だと感じています。入社直後のOJTの際にはある番組のデータ放送に携わったのですが、先輩の計らいで番組の最後に流れるスタッフロールに自分の名前が掲載された時はとても嬉しかったですね。システムエンジニアというのは番組の表舞台からはなかなか見えない存在ですが、自分が開発したシステムが動くことで番組やイベントがもっと面白くなるような挑戦がしたいですね。また将来的には、学生時代から研究してきたデータ分析のスキルを活用して、視聴者の傾向に合わせて必要とされる情報が的確に届けられるようなシステムの開発にも挑戦してみたいです。

前浜:

この仕事のやりがいは「達成感」の一言に尽きると思います。業務系システムの開発でも、一般視聴者向けシステムの開発でも、開発をやり切るには相当な労力が掛かります。様々な困難を乗り越えてシステム開発が成功して、タスクが完了したときにはとても大きな達成感がありますし、実際に使ってくださった方からフィードバックが得られたときにはそれが次のやりがいにもなります。加えて、業務系のシステム開発は、やればやるほど自分自身のエンジニアとしてのスキルアップにつながるという側面もあり、それもエンジニアとしてのやりがいになります。

今後の目標としては、業務系システム開発、一般視聴者向けシステム開発を問わず「システムの存在を意識しないで自然に使える環境」を生み出すことがエンジニアとしてのゴールなのではないかと思います。システムの都合で使う人に操作を要求するようなシステムではなく、使う人に合わせてシステムが適切に動くような世界。最終的には水や空気のようにシステムが動く世界に近づけることができればいいですね。TBS Qsに代表される「視聴者が番組にスマホで参加する」という体験も、それが放送局にとって、視聴者にとって当たり前の存在になれば、それもひとつのゴールになるのではないかと思います。

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